広島森下暢仁投手(23)が、6回3失点の粘投も打線の援護に恵まれず今季4敗目を喫した。「日本生命セ・パ交流戦」のオリックス戦に先発。両軍無得点の2回に3点を先取され、打線は6回に押し出し四球と内野ゴロで2点を返すのが精いっぱい。先発陣が14試合連続で勝ち星がないのは11年以来10年ぶりの屈辱となった。オリックス戦は18年から8連敗で、チームは2分けを挟み今季ワーストタイの6連敗。借金は11にふくらんだ。

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森下をもってしても、負の連鎖を止めることができなかった。両軍無得点の2回、長短打と四球で2死満塁のピンチを招き、明大の先輩のオリックス福田に逆球の高め直球をスペースのあった左中間に運ばれ、走者一掃の適時三塁打を許した。「インコースにしっかり投げ切れなかった事が、反省点です」と悔やんだ。

結果的に6回3失点で、先発としての役割は果たした。しかし野手陣が足を引っ張ってしまった。3点を追う6回には無死満塁のチャンスを作りながらも、21イニングぶりの得点となる押し出し四球と内野ゴロで2点を奪うのが精いっぱいだった。佐々岡監督は「一気に畳み掛けるというところで、勢いを感じない」と指摘。守備でも記録に残らないミスもあっただけに「(2回は)取ってほしい打球もあった」と嘆いた。

先発が勝てない試合が続く。5月19日巨人戦の九里を最後に先発は14試合連続で勝ち星がなく、22試合連続だった11年5月7日~6月6日以来10年ぶりの屈辱だ。打線も総得点数がリーグ最下位の175点にとどまる。指揮官は「打線が全く機能していない。先発が我慢してる試合でも、先に点を取られると、追いつく力がないというか。今は流れが悪い」と頭を抱えた。

チームは2分けを挟み今季最多タイの6連敗で借金は最多の11まで膨らんだ。指揮官は「まずは先発投手がしっかり守って、攻撃にいい流れを持ってこれるように」と期待した。森下は昨季の3敗を早くも上回り、3勝4敗でプロ入り後初の負けが先行となった。「次はチームが勝てるような投球をしたい」と切り替えた。オリックスには18年から8連敗中。交流戦がなかった昨季を除く3年連続の3タテだけは何としてでも阻止したい。【古財稜明】