記憶より記録を残す高卒ルーキーが、球史に名前を刻んだ。全イのヤクルト内山壮真捕手(19)が、2年ぶりに開催された「フレッシュオールスターゲーム2021」でMVPを獲得した。「7番捕手」で先発すると、0-0で迎えた3回、中日森の3球目、外角低めの144キロ直球を左翼席へ運んだ。松山は、尊敬する古田敦也氏がヤクルト現役時代2000安打を達成した場所であり、チームの秋季キャンプ地。縁のある球場での躍動に「そういったところで活躍できたのはすごく良かった」と満足そうに話した。

ID野球の申し子からの教えが根底にある。春季キャンプは2軍で過ごしたが、1軍で臨時コーチを務めた古田氏のミーティング動画を見て勉強。「記憶より記録。しっかり日々の出来事を記録に残していくことがすごく大事と言われていた」と振り返る。以降は課題や反省点などをメモに残す毎日。“ウチヤマノート”で着実に成長を重ねる。

高卒1年目捕手のMVPはドカベンの愛称で親しまれた南海香川伸行以来2人目。記録を残し、新たな記録を刻んだ。快挙にも一切浮かれず、「1軍でレギュラー選手になれるようにこれから頑張りたい」。早くも次なる獲物を見すえていた。【湯本勝大】

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