ソフトバンクのリチャード内野手(22)がプロ初アーチを豪快なグランドスラムで飾った。1-2の4回1死満塁。フルカウントからオリックス増井の149キロ直球を左翼席中段まで運んだ。高卒4年目の若き大砲の一振りで、試合を一気にひっくり返した。

初本塁打が逆転満塁弾は5月4日に中日根尾がDeNA戦で放って以来で、ソフトバンクでは17年5月2日に甲斐が西武戦で放って以来。ソフトバンクでは今季初の満塁本塁打となった。

リチャードは「7番三塁」で先発し、2回1死二、三塁の第1打席では中犠飛。前日4日のプロ初安打に続いて、プロ初打点を記録していた。

逆転優勝へ向けて首位オリックスとの正念場の3連戦。負けるか引き分けると自力優勝が消滅する危機で、起爆剤に期待された若鷹が本領を発揮した。

◆リチャード 1999年(平11)6月18日、沖縄県生まれ。沖縄尚学から17年育成ドラフト3位でソフトバンク入団。父は米国人、母は日本人で、兄ジョセフは米大リーグのマリナーズ傘下チームに所属。支配下登録された20年は2軍公式戦72試合に出場。12本塁打、47打点で本塁打王と打点王に輝いた。オフには師匠の西武山川らと故郷・沖縄で自主トレを行った。189センチ、119キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸660万円。