阪神2軍がウエスタン・リーグの中日戦(ナゴヤ)に1-0勝利し、16連勝のファーム日本新記録を打ち立てた。99年に巨人2軍がマークした15連勝を更新した。快挙への案内人はドラフト5位ルーキーの村上頌樹投手(23)だ。三塁を踏ませない投球で、5回4安打無失点にまとめた。

唯一のピンチも冷静だった。2回に1死から安打2本で一、二塁。1度プレートを外して間を空けた後、石岡を低めのツーシームで二ゴロ併殺に打ち取り、笑顔でベンチへ戻った。

「前回は『抑えるぞ』という気持ちで投げ急いでしまった」。前回8月28日の1軍広島戦で先発に抜てきされたが、3回5失点KO。だが屈辱から学びを得て力に変えた。「片足で立ってる時間が少なかったので、今日はそこを長く」。リーグトップの8勝目。「勝ち投手になれてよかったです」。2軍新の16連勝を導いた右腕は、ホッとした表情で感激を味わった。

試合は0-0の3回2死一、二塁から板山の中前打を相手中堅が失策し、1点を先制。虎の子の1点を村上、アルカンタラ、二保、浜地の0封リレーで守り切った。平田2軍監督も16連勝に「素晴らしい緊張感のあるゲームが続いてる。もう1回力をつけて1軍に戻るんだというところが出ている」と称賛。この日2安打の江越や北條をはじめ、再昇格を狙う若虎の貪欲さも連勝の要因と分析した。

連勝は7月30日に始まり、8月無敗で9月に突入。堂々のウエスタン・リーグ首位をいく。次戦は11日で15連勝中の広島戦(甲子園)。まだまだ連勝街道が続く予感だ。【前山慎治】