全日本野球協会(BFJ)は13日、都内で会見を開き、侍ジャパン社会人日本代表候補選手のデータに関する取り組みについて説明した。

「選手の能力を『見える化』する施策」として、7、8月に行った合宿で、計90人ほどの選手のパフォーマンスをポータブルトラッキングシステム「ラプソード」で計測。投手は、最速、平均球速、平均回転、ホップ成分、シュート成分など、野手は、打球速度、飛距離、スイング速度、スイング時間などを測った。数値は、近くBFJのホームページで公開する。山中正竹会長は「これからの方向性として、野球全体の質を上げていきたい。その中で、科学に力を入れることで、技術、指導の向上につなげていきたい」と意義を説いた。

データはアップデートしていき、選手選考の指標に用いる。また、選手起用の裏付けにも役立てていく。石井章夫社会人代表監督は、一例として、投手のホップ成分を挙げた。「ホップ成分が多いと、真っすぐで空振りやファウルが取れる。そういう投手は抑えに向いている。逆に、ホップ成分が少なければ、ゴロを打たせられる」と話した。

国際大会の経験など、数値化できないものもある。最終的な選考は総合的に判断することになる。それでも、選手の現在地が客観的に数値で示されることで、選考の透明性を上げ、さらに監督の力量だけに頼らず、組織として戦うチームづくりを進める狙いもある。