歴史に名を刻んだ。ヤクルト村上宗隆内野手(21)が、1回1死走者なし、右翼席へ本塁打を放って通算100号を達成した。21歳7カ月での到達は、89年西武清原和博の21歳9カ月を抜き、史上最年少記録となった。

広島高橋昂の肩口から甘く入ってきたカットボールを完璧に捉えた。打った瞬間にスタンドインを確信できた豪快な当たり。区切りの記録に到達した村上は「打ったのはカットボールです。青木さんがホームランを打ったので勢いに乗って打った感じです。ここ数試合、少し意識していたかもしれませんが打つことができてすごくくうれしいです。ありがとうございます」とコメントした。

「優勝チームの4番になりたい」と意気込んで臨む今季。リーグ2位の本塁打と打点で、チームを引っ張り、優勝戦線に食らいついている。この日も「今はタイトルより優勝したい気持ちが強い。個人の目標は気にしていない」という勝利のための一振りで、100本目のアーチを描いた。

プロ1号はルーキーイヤーの18年9月16日の広島戦。岡田明丈投手から「プロ初打席初安打初本塁打」となる2ランを放った。第1歩から丸3年で、大台に到達した。

▼村上が19日の広島18回戦(神宮)の1回、高橋昂から今季35号を放ってプロ野球303人目の通算100本塁打を達成した。初本塁打は18年9月16日の広島22回戦(神宮)で岡田から。21歳7カ月で達成は89年清原(西武)の21歳9カ月を抜く最年少記録。50号は清原20歳0カ月、村上20歳7カ月と、清原の記録に及ばなかったものの、100号で逆転した。また、出場379試合で到達は日本人選手では4位のスピード記録で、スピード10傑入りしている左打者は村上だけ。97年松井(巨人)02年松中(ダイエー)の468試合を抜く、日本人左打者の最速100号も記録した。

▼今季の村上は35本塁打、92打点。シーズン40本塁打の最年少記録は63年王(巨人)85年秋山(西武)の23歳、100打点は18年岡本(巨人)の22歳。通算100本塁打の次は、シーズン40本塁打と100打点の最年少記録を狙う。

▽ヤクルト杉村打撃コーチ 1年間ファームでじっくり育てるんだという球団の方針が一番よかったんじゃないか。とにかくバットを振るし、練習で気を抜かない。(2年目は1軍で36本塁打も)本当に苦労したよ、あいつ。シーズン中に怒られて泣いたこともあった。まさか、あの清原を抜くとは…とんでもないことだよね。