ロッテが首位を走る。スーパースターはいなくても、全員野球で束になる。己の持ち場で存分に輝く4人をクローズアップする。

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東妻勇輔投手(25)は今季「ゲッツー」の印象が強い。17日時点で打者86人と対戦し、5度の併殺打を打たせている。

8月25日の日本ハム戦(札幌ドーム)では5回1死二塁でリリーフし、四球を出した後、大田を遊撃への併殺打に。直後に味方が逆転し、勝利投手になった。

9月4日の日本ハム戦(ZOZOマリン)でも5回無死一、二塁で登板。犠打を自身の好フィールディングで防ぎ、木村に二塁への併殺打を打たせ、相手の勝ち越しを防いだ。

プロ2年目の昨季はコロナ禍の開幕延期で調整に失敗し、自慢の球速が戻らなかった。悔しさをにじませ「アバウトでもいいから強い球で勝負できる投手になりたいです。沢村さんのような投球をしたいです」と誓っていた。

しかし今季、6月中旬に初昇格した東妻は少しスタイルをチェンジ。ツーシーム系で動かしながら、時折力強い150キロを投げ込むように。ゴロアウトが増え、勝負どころでも重宝される存在になりつつある。

1イニングに2~3安打を浴びる試合も、まだ時折ある。井口監督は「勝ちパターンで投げるようにならないといけない」と小野らとともに期待をかける。この先、さらに緊迫する場面が増える。【金子真仁】