今季限りでの引退を表明している阪神俊介外野手(34)がウエスタン・リーグ、オリックス戦(甲子園)に「1番左翼」で出場した。

4打席無安打で迎えた10回無死一塁。オリックス斎藤の初球を中前にはじき返した。「最後にちょっとだけ感謝の気持ちを出せた。一生懸命なプレーを見せられたのが良かった」。縦じま一筋12年のベテランが感謝の思いをバットに乗せ、最終打席で安打を放った。

当初は鳴尾浜で開催予定だったが、甲子園に会場が変更された。「小さい頃から憧れていた球場で最後、野球人生を終われるというのが最高なことだと思う」。左翼で先発し、右翼、中堅とポジションを変え、慣れ親しんだ外野の芝に別れを告げた。

試合後には引退セレモニーを行い、マウンド前でファンにスピーチ。「良いことも悪いこともたくさんありましたけど、悔いはありません」。涙はなく、満足感いっぱいの表情を見せた。平田2軍監督は「これからの人生が長いんだし、勉強してね。将来タイガースに帰ってきてほしいよね。タイガースで一緒に戦った仲間だから」と、第2の人生にエールを送った。【前山慎治】