中日は12日、来季の新監督としてOBの立浪和義氏(52)に就任要請した。

加藤宏幸球団代表(61)が「今朝、立浪さんに来季の監督就任を打診した」と明らかにした。就任3年目の与田剛監督(55)からは9月下旬から10月初旬にかけて今季限りでの退任の申し出があり、受諾したと説明した。

球団創設85周年の今季は優勝奪回を目指した。投手力は先発、ブルペンとも安定していたが、打率、得点力、本塁打数などリーグワーストの攻撃力が響いて下位に低迷。与田監督の退任を受けた後任選びについて、加藤代表は「打線を立て直すには、春季キャンプで臨時コーチを務めた立浪さんがいいのでは」と説明した。与田監督に対しては投手力を整備した実績やドラフト戦略での貢献を含めた手腕を評価した上で、同代表は「何らかのポストを考えたい」と球団フロント入りを示唆した。

立浪氏は88年にPL学園からドラフト1位で中日に入団。1年目から遊撃手に定着、新人王、ゴールデングラブ賞に輝いた。その後も数々のタイトルを獲得。2000安打を達成するなど西沢道夫、高木守道に続く3代目「ミスタードラゴンズ」と呼ばれた。球団史上最多の2480安打を放ち09年限りで現役を引退。野球評論家やWBCコーチなどを務め、今春の中日キャンプでは臨時コーチとして京田、根尾らを指導した。【伊東大介】

◆立浪和義(たつなみ・かずよし)1969年(昭44)8月19日生まれ、大阪府出身。87年にPL学園主将として春夏甲子園を連覇し、同年ドラフト1位で中日入団。1年目から新人王に輝く活躍で88年のリーグ優勝に貢献。03年に2000安打を達成して名球会入り。09年に引退。通算2480安打は歴代8位、487二塁打は同1位。ベストナインを2度、ゴールデングラブ賞を5度獲得。13年WBCで侍ジャパン打撃コーチ。現役時代は173センチ、70キロ。右投げ左打ち。