DeNA中井大介内野手が有終の美を飾った。古巣巨人との引退試合。7回の先頭、代打で登場すると、カウント1-1からの3球目、畠の148キロ直球を右前に運んだ。

一塁塁上でヘルメットを取ると、球場全体へ頭を下げた。代走知野が告げられると、涙を流しながらベンチに戻った。今季2安打目を放った背番号0に、球場全体から温かい拍手が送られた。

1軍出場の最初と最後が横浜スタジアムだった。09年初打席は三振。だが戦力外通告を受けて移籍し、通算506試合目、1036打席目は、228本目の安打を放った。試合後はスポットライトを浴びてスピーチ。「今日のヒットで少しでもファンの皆さまに恩返しできたなら、僕の現役生活も大きな意味があったのかなと思います」と振り返った。両親への感謝を述べた際には、声を詰まらせた。

試合後は息子と一緒に球場を1周した。けがで離脱しているオースティンらも参加し、巨人の選手も居残った。「人に恵まれて人に助けられてやってこられた14年間でした。今度は僕が誰かの力になれるよう、精いっぱい努力していきたい」と結んだ。【斎藤直樹】