巨人亀井善行外野手(39)が今季限りで現役を引退することが分かった。今日21日にも球団から正式発表される。上宮太子高から中大を経て、04年ドラフト4位で巨人入り。プロ17年目の今季はここまで91試合に出場し、打率2割1分6厘、3本塁打、17打点。3月26日のDeNAとの開幕戦では同点の9回無死から代打サヨナラ本塁打を決めた。ヒーローはお立ち台で「完璧でした。今年まだ始まったばかりでしたけど、今年一番の当たりでした」と興奮気味に振り返った。

度重なるケガに悩まされた。プロ17年間でシーズン全試合出場は1度もない。一方で、負けん気の強さと寡黙さは球界屈指。目立つような存在でもなければ、口数も多くはない。地道に積み重ねてきた技術をグラウンドで発揮。09年3月に開催された第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では原監督が率いる日本代表に選出され、イチローらとともに世界一も経験。同年の日本シリーズで最優秀選手、ゴールデングラブ賞を受賞した。

どんな時でも「俺なんかよりも、もっとすごい選手はたくさんいる。とにかくチームに貢献できるように。それだけしか考えていない」と繰り返してきた。12日の阪神戦で左ふくらはぎに死球を受け、13日に出場選手登録を抹消された。打撲と診断されたが、20日DeNA戦(横浜スタジアム)の試合前の1軍練習に合流。本拠地最終戦となる23日ヤクルト戦から再登録可能で、チームがクライマックスシリーズ(CS)に進出となればプレーには支障はない。

いぶし銀のプレースタイルでチームメート、野球ファンの心をわしづかみしてきた。巨人一筋17年目。現役最後の残りシーズンでも、今まで同じように最後の最後まで亀井が魂を込めてバットを振る。