待ちに待った1発から大爆発だ! 阪神佐藤輝明内野手(22)に約2カ月ぶりのアーチが飛び出した。

0-0の2回1死一塁、三塁。カウント1-2と追い込まれてから、広島九里の140キロ直球をとらえ先制の24号3ランを右翼席にたたき込んだ。打った瞬間スタンドインだと分かる当たりで、右翼の鈴木誠もその場を動かず、その瞬間は後ろを振り向くこともなかった。佐藤輝は三塁手前で右手を突き上げ感情をあらわにし、ベンチ前では久々の「Zポーズ」を繰り出した。

佐藤輝は球団を通じて「絶対に負けられない試合で、つないでチャンスの場面を作ってもらったので、最高のバッティングができて良かったです。チーム全員でしっかり勝ち切れるように頑張ります」と力強くコメントした。

本塁打は8月19日のDeNA戦(東京ドーム)での23号以来となった。新人の24本塁打は58年の森徹(中日)を抜き、歴代単独7位の記録となった。

あと1本で新人の今世紀最多、03年村田修一(横浜)の25本に肩を並べる。新人の最多記録は31年桑田武(大洋)、86年清原和博(西武)の31本。この試合を含めて残り2試合。26日のレギュラーシーズン最終戦の中日戦(甲子園)にも期待がかかる。

佐藤輝は3点リードの8回無死一塁では、広島3番手のケムナから右前打を放ち、こちらも8月19日以来のマルチ安打とした。無死一、三塁とチャンスを拡大して今季6個目の盗塁で二塁を陥れると、坂本の右翼越えの2点適時三塁打で生還した。

後半戦はNPB野手ワーストの59打席連続無安打や2軍降格も経験。前日23日は、広島森下から左前打を放ち、直後の坂本の同点適時打につないだ。2試合連続「7番右翼」でスタメン出場したこの試合も、首脳陣の起用に応えてみせた。怪物ルーキーの復活弾が、逆転Vへの号砲となるか。