今季限りでの現役引退を表明した巨人大竹寛投手(38)は、現役ラスト登板のヤクルト戦を笑顔で投げ終えた。サンタナを宝刀シュートで詰まらせ「あんな結果が出たら、笑顔が出ちゃいます」とニコニコ顔でチームメート、首脳陣とハイタッチと握手を重ねた。

涙は3日前に流し終えた。引退発表前日の21日、浦和学院時代の恩師の森士前監督に電話をかけた。引退の報告をするとともに、感謝の思いを伝えた。時間にすれば30分ほどだっただろうか。恩師からねぎらいの言葉を掛けられ、涙がボロボロとほおを伝った。

浦和学院へと導いてくれたのは、森氏だった。中学3年の時、当初は埼玉県内の公立高校に進学する意向だったが、森氏の熱い言葉を聞き、心が傾いた。高校2年夏には1学年先輩で元ヤクルトの坂元弥太郎とともに甲子園に出場。3年時は高校日本代表でアジアAAA選手権に出場した。

野球人生を振り返って、周囲の人に恵まれたと出会いに感謝する。「全て自分で選んだ道なんで後悔はないです。その中で、いろんな方の支えがあったから頑張れた」。プロ入りした18歳の時には、想像さえしなかった20年間の現役生活を駆け抜けた。【久保賢吾】