右肘の違和感で離脱していた阪神西勇輝投手(30)が28日、みやざきフェニックス・リーグ西武戦(宮崎・南郷)で実戦復帰した。2回無失点で安定した投球を見せ、ポストシーズンでの先発をアピール。18年まで在籍したオリックスの優勝を祝福し、日本シリーズでの対戦へ、完全復活を目指す。

    ◇    ◇    ◇

西勇が宮崎のマウンドで再スタートを切った。西武戦に先発し、感覚を確認するように31球を丁寧に投げた。初回は2安打で1死一、三塁のピンチを招いた。それでも4番山村は変化球で泳がせて捕邪飛。次打者仲三河は内角シュートで詰まらせ、中飛に打ち取った。2回からは修正して3者凡退。「バッターがどういうふうに反応が来てるとか、読み取ることができた。バッターを見抜くことができた。比較的、思い通りに投げられた」と好感触だった。

13日の巨人戦(東京ドーム)で右肘の違和感を訴えて、移籍後最短タイとなる1回2/3で緊急降板。シーズン最終盤に戦列を離れる事態となった。右肘の状態に関して、この日の登板後に「全然大丈夫」ときっぱり。2週間ぶりのマウンドには「感覚だったり、雰囲気だったりいろいろ確認することがあったが、無難に投げることができた」と納得の表情だった。平田2軍監督も「ノープロブレムだね」と話した。

前日27日には古巣のオリックスがリーグ優勝を決めた。「知っているメンバーも優勝しましたし、心から応援していたので良かったです。由伸(山本)もそうですけど、ハーパー(吉田正)もそうですし、みんな若い頃から知ってる人たちで。すごいと思う」と祝福した。日本シリーズでオリックスと対戦する可能性があるが、「自分はケガで(チームを)離れたのでアピールするしかない。調子を上げて、まずはクライマックスシリーズで力を尽くしたい」と話す。

現状、3位巨人とのファーストステージの先発候補には、青柳、秋山、伊藤将、ガンケルらがおり、割って入るには完全復活を示す必要がある。今季6勝に終わった右腕が、その一歩を踏みしめた。【前山慎治】