愛のカミナリだ。阪神平田勝男2軍監督(62)が14日、投手陣が秋季練習に励む鳴尾浜球場で若手主体のメンバーを叱り飛ばした。休日明けながら当初の予定はブルペン入り0人。「昨日は休み。その前も川原1人しか入っていない。『僕どうですか? (1軍キャンプに)連れていってくださいよ』と、どんどんアピールしていかないと」と強く訴えかけた。

キャッチボールが始まりかけた午前10時59分。投手陣がセンター付近に集められた後、指揮官の怒声が3分間にわたって球場に響き渡った。例年なら秋季キャンプで連日ブルペンがにぎわっている時期。1軍の福原、金村両投手コーチも目を光らせる状況での欲のなさに、黙ってはいられなかった。

「キャンプでこんなに(ブルペン投球の)間を空けるなんて、オレには考えられない。『矢野監督、こいつ面白いですよ。宜野座に連れて行って練習試合とか紅白戦で使ってみましょう』と言ってもらうチャンスがみんなにあるのに…」

緊急ミーティングの直後にはともに育成契約の22歳牧、23歳岩田将、今季1軍登板ゼロに終わった24歳望月がブルペンで熱投。約130球を投じた牧は「怒ってもらえることはありがたい。今がチャンスという気持ちで、自分の力を見せられるだけ見せたい」と目の色を変えた。

その後も西純ら若手が続々と投げ込み。ブルペンでも再び声を張り上げていた平田2軍監督は「それでいいの? と選手に問いかけただけ」と冷静に振り返ったが、熱意は伝わったようだ。【佐井陽介】

▽阪神望月(鳴尾浜でブルペン入り)「今年は何もできなかった1年でした。できるだけ調子の波を小さく、いいボールを確率高く投げていかないといけない」

▽阪神岩田将(習得を目指すシンカーを含めてブルペンで約70球)「もっとアピールしないと支配下登録になれない。(平田2軍監督の言葉に)気が引き締まりました」