広島が16日、大リーグ移籍を目指す鈴木誠也外野手(27)のポスティングシステム(入札制度)申請を承認したことを発表した。鈴木誠とマツダスタジアム内の球団事務所で話し合いを行った鈴木球団本部長は「16年からチームの中心として3連覇に貢献してくれたし、彼の成績は(16年からの)6年間を見ると本当に素晴らしい。タイミング的にも、今が一番いいだろうと。チーム的には痛いんだけれど、そこは誰かがカバーしていかないとしょうがないけど、彼にとっては今がベストなタイミングでないかなということで判断したということです」と話した。ポスティング申請は来週中を予定している。

鈴木誠は19年オフに「チャンスがあれば、行きます」とメジャーへの思いを明らかにしていた。昨オフは「(球団と)少しはしましたけど、深くはしていない」と契約を更改。鈴木球団本部長は「マエケン(ツインズ前田)のときもそうだけど、基本的にメジャー志向の選手はできる限り応援してあげたい気持ちはある」と話していた。

今季は打撃フォームの大改造に取り組み、シーズン序盤は新型コロナウイルス感染やワクチン接種による副反応など予期せぬアクシデントもあった。それでも金メダルを獲得した東京五輪をへて、打撃の状態は上向き。打率3割1分7厘、38本塁打、88打点、出塁率4割3分3厘、長打率6割3分9厘、OPS10割7分2厘。首位打者と最高出塁率の2冠に輝いた。

鈴木誠の去就に関してはMLB公式サイトが5日(日本時間6日)、事情通の話として、日本シリーズ終了後に広島がポスティングする見通しだと伝えていた。

◆鈴木誠也(すずき・せいや)1994年(平6)8月18日生まれ。東京都出身。二松学舎大付から12年ドラフト2位で広島入り。高卒1年目に高卒新人野手では99年の東出以来となる14年ぶりに1軍出場。4年目の16年は緒方当時監督から「神ってる」と称される活躍で26年ぶり優勝に貢献した。19年は初の個人タイトルとなる首位打者と最高出塁率に輝き、今季も同賞の2冠。昨年まで5年連続ベストナイン、ゴールデングラブ賞4度受賞。通算902試合、937安打、182本塁打、562打点、打率3割1分5厘。181センチ、98キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸は3億1000万円。