阪神高橋遥人投手(26)が、大阪市内の病院で左肘のクリーニング手術を受けたと19日に発表された。

来季の早期1軍合流を目指すが、開幕ローテーション入りは絶望的な状況となった。今季は上肢コンディション不良で9月からの戦列復帰も、終盤の優勝争いで4勝を挙げた。故障に泣かされ続ける左腕が、再びリハビリ生活をへて、復活を目指す。

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矢野阪神の命運を握る左腕が、またも開幕ローテーションに間に合わない状況となった。この日、高橋は左肘のクリーニング手術を終えた。球団を通じ「来季、万全な状態で投げられるように左肘のクリーニング手術を行いました。今まで以上のパフォーマンスを発揮できるように、またチームに貢献できるように、しっかりリハビリに励み、来季へ向けて準備をしていきたい」とコメント。来季の開幕は絶望的となった。

今季も上肢コンディション不良で大きく出遅れ、シーズン終盤の9月に合流。巨人から完封勝利を挙げるなど4勝。前半戦から一転して失速した猛虎で、ローテーションの中心として奮闘した。しかし10月21日の中日戦で9回に左肘の違和感を訴えて、緊急降板。6日の巨人とのCSファーストステージ第1戦で先発したが6回3失点で敗戦投手に。秋季練習ではノースローで調整していた。

矢野監督は「開幕を大きくずれ込むようなことではない。うまくいけば開幕の早い段階で帰ってこれるような現状のスケジュール」と今後の見通しを説明した。来季の開幕に合わせるよりも左肘の不安を解消することを優先。長期離脱を避けるためで、開幕後の早期合流を想定している。高橋は圧倒的なポテンシャルを持ちながらも、故障続きで1年間を投げきったことがない。「戻った時に、そこから1年間投げてくれることの方が大事」と、指揮官は続けた。

来季の先発候補で左腕は今季新人で10勝を挙げた伊藤将、中継ぎから転向する及川に、ドラフトで指名した創価大・鈴木、新潟医療福祉大・桐敷がいるが、未知数な部分が多い。17年ぶりリーグ制覇へ、高橋は必要不可欠な存在だ。再びリハビリ生活に突入するが、パワーアップを信じ、復活の時を待つしかない。【石橋隆雄】

◆阪神高橋のプロ入り後の開幕 

▼1年目 18年は最後まで開幕ローテーションを争ったが、左肩に不安があったこともあり、開幕10試合目の4月11日広島戦(甲子園)でデビュー。7回無失点で球団新人では1959年(昭34)の村山実以来59年ぶり、左腕では2リーグ分立後史上初となる甲子園初登板&初先発&初勝利を飾った。

▼2年目 左肩の不調などで開幕には間に合わず、初登板は5月5日DeNA戦(甲子園)。この日の先発予定投手がインフルエンザで回避となり急きょチャンスが訪れた。

▼3年目 左肩コンディション不良で2軍スタート。初登板は8月6日巨人戦(甲子園)。7回無失点で349日ぶりの白星。

▼4年目 キャンプで右脇腹を痛めるなど上肢コンディショニング不良で初登板は9月9日ヤクルト戦(甲子園)まで、ずれ込んだ。