ソフトバンクは25日、高卒1年目の田上奏大投手(18)と来季の契約を結ばないと発表した。球団は来季育成選手としての再契約を打診する方針を明かした。

履正社(大阪)から20年ドラフト5位で入団。本来は外野手だったが、高校3年春に投手へ転向し、投手歴約半年でプロ入りするという異例の経歴を持つ。150キロを超える直球が魅力で、宮崎秋季キャンプで行われたシート打撃では、上林、栗原ら主力クラスを最速151キロの直球で打ち取るなど、藤本監督も「楽しみな投手」と期待を寄せる若鷹だった。

球団は「首脳陣も期待していたところだったのですが、ピッチャーになった時期も浅いということで、じっくりと育成していきたい。無理をさせずに育てたいというのが球団の育成にあるので、状況を鑑みると、補強の枠の問題もあって、支配下ではなく育成選手としてしっかりトレーニングを積んで欲しい」と経緯を説明した。

今後はいったん、自由契約選手として公示されるため、他球団が支配下登録選手として獲得に乗り出せば、本人の意思次第では移籍もあり得る。球団は「支配下で獲得の意思のある球団が出てきたら、彼も考えるところはあるんじゃないかなと思う。そこは彼自身の将来の問題もある。そういう状況もあり得るとは理解したうえです」と話した。

叔父は元ソフトバンク捕手の田上秀則氏(現大産大付監督)。叔父の背番号「70」を受け継いでいた若き右腕が、新たなスタートを切る。