さあ神戸で逆転日本一だ! 崖っぷちのオリックスが執念の1勝を挙げた。「SMBC日本シリーズ2021」の第5戦で、9回に代打アダム・ジョーンズ外野手(36)が決勝ソロを放った。

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オリックスがヤクルトを相手に日本一を逃した95年、10歳のジョーンズ少年はMLBブレーブスに熱を上げた。球場で熱視線を送ったのは、背番号10の姿だ。「チッパー・ジョーンズが大好きになった。一緒に写真を撮ってもらったり、名前が一緒だったり…」。野球をするなら「10番」と決めた瞬間だった。

MLBで14年プレーし、来日2年目の36歳。数々の勲章や記念トロフィーを獲得してきた。「思い描いていたより、いい人生を歩んでいる。正直、野球選手としてここまで来ると思ってなかった」と振り返る。

未来の野球少年に伝えたいことがある。「誰に何を言われようと、最後まで戦いなさい。好きなことを諦めるな。貪欲であれ。情熱を持てば、ここまでなれる。才能は、その後についてくる」。若手が躍動する新生オリックスナインの胸にも、深く刻まれている。【オリックス担当=真柴健】