ロッテ藤原恭大外野手(21)が勝負の4年目に備える。この秋は束縛に身を委ねた。CS敗退2日後からの秋季練習。両腕中心に上半身をチューブで固定し、バットを振り込んだ。

「ポイントが前にあるので、なるべく(球を)引きつけてというのを意識しての練習と、腕が離れやすいというか遠回りするので、それを修正する練習ということで続けていました」

乱高下の1年だった。開幕スタメンの座をつかむも、打率1割台と低迷し、5月を待たずして1軍から去った。2軍首脳陣の指導を受け修正し、再び1軍へ。復帰後2戦目でサイクル安打にリーチをかけた。勢いのまま7、8月度の月間MVPを獲得し、レギュラーを不動のものにしようとしていた。しかし。

「ホームランを打ってから一気に崩れたというのがあって、ずっと開いて開いてで、最後まで修正できなくて」

内角攻めを徹底された。体重も減り、本来の自分を見失った。9月以降は81打数6安打、打率0割7分4厘。シーズン終盤は外野の守備固めになり、CSファイナルは代走で出場。残塁しただけで終わった。

両腕を固定され、脇も締まったままで振る。不自由そうにも見えるが「(チューブを)付けている時の方はけっこう振りやすいというか、打球も(普段と)そんなに変わらないですし、いいフォームで打ててるのかなと」。固定されると、ティー打撃でも方向性が安定していた。

「やってはいけないフォームと、やっていいフォームが明確に分かったので」と話す。スター候補として華々しく入団した、未来図の中心にいる1人。もがいた分、誰よりも大きく羽ばたきたい。【金子真仁】