中日のセットアッパー、又吉克樹投手(31)が今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使することが28日、分かった。

既に球団関係者に意向を伝えており、早ければ手続き期間が始まる29日にも正式に態度を表明する。宣言すれば独立リーグ出身者では初となる。

又吉は四国IL・香川から13年ドラフト2位で入団。今季はチーム最多66試合に登板して3勝2敗8セーブ33ホールド、防御率1・28。失点は7試合のみという安定感で、守護神R・マルティネスと勝利の方程式を支えた。1年目の14年から3年連続で60試合以上登板するなど大きな故障もなく、8年間で通算400試合に登板している。

7月にFA資格取得条件を満たした際には「独立リーグからでもFAが取れることが伝わればうれしい。オフにどういう評価をもらえるか」と話していた。独立リーグ出身者ではヤクルト三輪、ロッテ角中に次いで3人目の国内FA権取得で、2人は権利を行使していない。

中日はシーズン後から数回にわたって複数年契約を提示して残留交渉を重ねており、又吉に対しては宣言残留も認めているという。今季年俸4200万円はBランクにあたり、FA移籍した場合、獲得球団は金銭、人的補償を求められる。獲得調査を進めているオリックスなど複数球団による争奪戦となりそうだ。

◆又吉克樹(またよし・かつき)1990年(平2)11月4日生まれ、沖縄県出身。西原-環太平洋大-四国IL・香川を経て13年ドラフト2位で中日入り。1年目の14年から5年連続40試合以上登板と、救援の柱として活躍。今季の登板66試合はセ・リーグ2位、36ホールドポイントは同3位で、ともにチーム最多。通算成績は400試合で41勝26敗10セーブ143ホールド、防御率2・86。181センチ、74キロ。右投げ右打ち。

◆FAの補償 FA権を行使した選手は旧球団での年俸によりA~Cのランクに分けられる。A(旧球団での年俸が上位3位)、B(同4~10位)の選手が移籍した場合、獲得球団は規定にのっとり、旧球団への金銭補償や人的補償に応じなければならない。C(同11位以下)は不要。人的補償はプロテクト28人と外国人、直近ドラフト獲得選手を除いた選手が対象。