DeNA三浦大輔監督(47)が日刊スポーツ紙上でチームや球界を語る「月刊ハマの番長」11月号。シーズンを振り返り、秋季トレーニングを終えた現状、来季への展望を語りました。「今月の一文字」は「始」。既に新たなシーズンへの準備が始まっています。

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監督1年目のシーズンが終了しました。最下位という結果となり、ひと言で表すと悔しいシーズンになりました。スタートダッシュできず、4月に抱えた2桁の借金を返せず終わってしまいました。振り返ると、最初は選手と同じような気持ちで戦っていた部分がありました。正直焦りもあり、どんどん視野が狭くなっていました。

夏を迎える前、球団の研修で講師の方から虫の目、鳥の目、魚の目という話を聞きました。開幕当初は、虫の目でしか見ていなかった。途中からは鳥の目で俯瞰(ふかん)したり、魚の目で流れを読んだりすることをより意識しました。頭で分かっていたことではありますが、うまくできなかった自分の未熟さを痛感させられました。

外国人選手が合流してからは、少しずつチームの流れがよくなってきましたが接戦をものにすることができず、もっと効率よく点を取るための進塁打など課題が残った。前半はしっかり先発がゲームをつくれなかった分、リリーフ陣に負担をかけ過ぎました。後半は先発に今永、東とけが人が戻り、ロメロの状態も上がり、大貫も復調してきて試合をつくれるようになりました。しかし、前半リリーフ陣の登板が多くなった分、後半にしわ寄せが来てしまいました。

秋季トレーニングから2022年に向けて始まっているという意味で今月の一文字は「始」にしました。期間中にコーチ、スタッフが密に連携を取れたことが大きな収穫です。

新任の石井コーチ、斎藤コーチ、鈴木コーチ、相川コーチ、小杉コーチには精力的に動いてもらいました。コーチ経験豊富な方たちもいてくれて心強いです。来春のキャンプの前にコーチ同士の連携を取れたこともよかったと思います。

コーチングアドバイザーとして小谷さんが戻ってきてくれました。ユニホームは着ませんが経験豊富な方なので、選手だけではなくコーチの方々や自分自身も多く学ぶことがあります。プロ1年目の時1軍投手コーチだった小谷さんにいろんなことを教わったからこそ、プロで長年プレーできました。野球の技術だけでなく一社会人としての心構えもたくさん教わりました。

今年の後半、先発陣がそろってきた手応えもあります。来季は開幕から先発陣をそろえ、リリーフ陣に負担がかかり過ぎないようにしたいです。ホーム最終戦でも言いましたが、最下位でも光がいっぱい見えてきてきました。その光をどう集めて大きくしていくかに取り組んでいます。

期待にこたえることができず本当に苦しいシーズンでしたが、ファンの方が最後まで一緒に戦ってくれて、こうして紙面を通じてファンの方と交流できたのはありがたく、すごく勇気づけられました。1年間本当にありがとうございました。(DeNA監督)

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