V奪回を目指すソフトバンクが、国内フリーエージェント(FA)権の行使を宣言した中日又吉克樹投手(31)に、他球団との交渉が解禁となる9日にも、即行アタックをかけることが8日、分かった。ペイペイドームで三笠取締役GMが「(FA)公示されたので、ホークスに来てもらえるように積極的に動きたい」と明言。西勇(当時オリックス)と浅村(当時西武)取りを目指した18年以来、3年ぶりのFA戦線に参戦する。

又吉にはDeNAなどの複数球団が興味を示している。中日は宣言残留を認めた上で、3年総額4億円を提示をしているもよう。同GMは「来てもらいたいと思うからには、そういうこと(条件等)はちゃんと示さないといけないと思っています」と、争奪戦で一歩も引かない覚悟。豊富な資金力を武器に、中日や他球団よりも好条件を準備して又吉にラブコールを送る。

独立リーグ出身では初のFA宣言選手。「世界中から人材を集めて強いチームを作る中で、彼みたいな苦労を経てFA権を取った選手は貴重」と、実績以外の面も評価している。さらに「彼の経験を若い選手に伝えてもらったりというのも、いい効果があると思っています」。藤本新体制での有形無形の相乗効果を期待した。

又吉は今季66試合に登板し、防御率1・28と安定感抜群。新人の14年から3年連続60試合登板などタフネスさも魅力だ。今季は森、モイネロ、岩崎らが相次いで故障離脱し、8年ぶりにBクラスに沈む一因にもなった。「タフでもあるし、中継ぎは強化ポイントの1つ」。誠意を前面に、竜のセットアッパーを口説く。