日本ハムのドラフト9位、NTT東日本・上川畑大悟内野手(24)が17日、札幌ドームで球団と本契約を結び、契約金2000万円、年俸1000万円でサインした。昨年は指名漏れ、今年も支配下選手としては、12球団最後の77番目の指名だが、期待は高く背番号「4」を与えられた。最後に名前を呼ばれた男の大逆襲が始まる。

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下位指名としては異例の1桁の背番号に、上川畑は「ビックリしました」と驚きを隠せなかった。日本ハムの背番号「4」は、奈良原や飯山といった名だたる守備職人が背負ってきた。「現役時のプレーは見たことがないですけど、守備が上手だったというのは知っているので、背番号に恥じないようにプレーしたい」と力を込めた。

上川畑も守備力に定評があり「ハンドリング、柔らかく捕球できるところが武器」と自信を持っている。大渕スカウト部長は「自動ロボットの掃除機がスーッと掃除をしていくように、低い姿勢のまま、いろんなボールを全部処理して掃除してくれる」と独特の表現で高く評価。稲葉GMも「今年の新人で背番号1桁は1人だけ。我々球団も大きな期待をしているので、早くチームに溶け込んでほしい」と激励した。

チームは遊撃を固定できておらず、即戦力としての活躍も期待される。上川畑は「大学(日大)では二塁もやっていたので、どちらも大丈夫。二遊間で勝負して開幕スタメンを目指したい」と闘志を燃やした。

12日には社会人時代に知り合った3歳下の一般女性と結婚。「僕だけの問題ではないので、妻が安心して生活できるように頑張らないといけないと思っている」と伴侶に活躍を誓った。

同期入団の12選手は5日に入団発表があったが、上川畑は都市対抗野球に出場中だったため不参加。ひとりで本契約、入団発表となったが「さみしいなと思っていましたが、こうして逆に目立ったのでよかったと思います」とうなずいた。新庄BIGBOSSとやりとりは、まだできていないが「人前で話すのが得意ではないので、そういうところで目立つコツがあるのか聞きたい」と対面を待ち望んだ。遅れてやってきた77番目の男が、一気にひのき舞台に躍り出る。【小林憲治】