藤浪よ、菅野から一流を学べ! 阪神矢野燿大監督(53)が26日、来季の先発起用を志願した藤浪晋太郎投手(27)の覚悟を歓迎した。同投手は自ら申し出て来年1月、巨人菅野智之投手(32)主催の合同自主トレに初参加する。指揮官は「どういう気持ちで練習に臨んでいるのか。近くでしか感じられないものがある」と力説。ライバルのエースから極意を吸収し、完全復活を期待した。

 

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矢野監督も並々ならぬ覚悟を感じ取っていた。藤浪が菅野塾に「入塾」する形で行われる合同自主トレ。年明けから1週間程度、沖縄・伊良部島でトレーニングを共にする。ライバル球団同士の垣根を飛び越えた異色タッグの実現。藤浪の行動力に指揮官も目を細めた。

矢野監督 自分から連絡したみたいなので。強い思いというか、どうしても一緒にやりたいという思いがないとやらないと思う。そういうピッチャーから学びたい人がたくさんいる中で、一緒にやれるのは吸収できるものがあると思う。

藤浪は今季、9年目で初めて開幕投手に抜てきされたが3勝どまり。先発、中継ぎともにチャンスを生かし切れず、48回1/3で3勝3敗4ホールド、防御率5・21と苦しんだ。6年連続減俸となった12月の契約更改では「やっぱり先発をやりたい。そのエゴを通せない実力であれば、中継ぎでも大した成績を残せない」と再挑戦への覚悟を語った。

矢野監督 そこを目指すのはごく自然なことだと思う。イニングを長く投げるところでは最低6回、できれば7回あたりいってくれるのがありがたい。

先発争いは激戦だ。最多勝&最高勝率の2冠青柳を筆頭に2年連続2桁勝利の秋山、実績のある西勇に、今季9勝のガンケル、アルカンタラ、新外国人のウィルカーソン、先発に挑戦する20歳左腕の及川がいる。左肘手術明けで開幕が絶望的な高橋も早期復帰を目指す。自ら「エゴ」と称し、険しい道を進む覚悟の第1歩が、菅野との合同自主トレ志願と指揮官も考える。

矢野監督 どういう気持ちで練習に臨んでいるのか、どういう風な取り組みをしてるのか。どういうものを大切にして練習やっているのか。近くでしか感じられないものはある。

2月の沖縄・宜野座キャンプは激しい競争にさらされる。勝負の10年目。背番号19の完全復活を矢野監督も楽しみに待つ。【桝井聡】