手元にある記念球は3つだけ。通算37勝目を挙げたオリックス山岡泰輔投手(26)は、そのほとんどのウイニングボールをファンにプレゼントしている。「できれば子どもにあげるようにしてます。(球場に)見に来てくれた記念になったら良いですよね」。ファンの喜ぶ顔を見たいという純粋な思いからだ。

17年のプロ初勝利、同年のプロ初完封の記念球は広島の実家に、あとは昨年の日本シリーズ第5戦での救援勝利の球が自宅にあるだけだ。今季初勝利を挙げた1日の日本ハム戦では、京セラドーム大阪のフィールドシートで観戦していたファンに手渡した。

背番号19は、さらっと言う。「勝てば、ボールは増えていく。誰かが喜んでくれたら、僕はうれしい」。白星を積み重ね、ファンの笑顔と思い出を増やしていく。【オリックス担当=真柴健】