ソフトバンク東浜巨投手(31)が、史上84人目、通算95度目となるノーヒットノーランを達成した。完全試合で達成したロッテ佐々木朗希投手(20)に次ぐ今季2人目。9回を97球で抑え、100球未満の完封「マダックス」も達成した。

試合後のお立ち台で「まさか自分ができるとは。信じられないです」と充実感を漂わせた。

西武打線に最速150キロ前後の直球に、シンカー、カットボールを混ぜた。2回に中村、5回に山川に四球を与えたが、いずれも次打者を併殺。大粒の汗をしたたらせながら、マウンドで仁王立ちを続けた。8回のマウンドには目を閉じ、大きく深呼吸をして上がった。冷静沈着な東浜は、達成の瞬間まで普段通りの姿でい続けた。

12年のドラフト1位。沖縄尚学、亜大を経てソフトバンクに入団した。入団当時は「10安打完封が理想」と話していた右腕が、理想を大きく上回る快挙。17年には16勝で最多勝に輝いた。最終打者の金子を二ゴロに抑えると、クールな男が顔を崩して笑った。

▼東浜が今年の4月10日佐々木朗(ロッテ=完全試合)以来、プロ野球84人目、95度目のノーヒットノーランを達成した。ソフトバンクでは南海時代の43年5月26日別所、19年9月6日千賀に次いで3人目。東浜の投球数は97球。100球未満でノーヒットノーランは06年9月16日山本昌(中日=97球)以来となり、パ・リーグでは90年4月25日柴田(日本ハム=94球)以来、32年ぶり。東浜は四球の走者を2人出したが、ともに次打者を併殺で仕留めて残塁が0。完全試合を除き、27人で終わった残塁0のノーヒットノーランは71年8月19日藤本(広島=四球2人)73年6月16日高橋直(日拓=四球1人)90年4月25日柴田(四球1人)に次いで4人目だ。

▼5月までにノーヒットノーランが2人以上は12年4月6日前田健(広島)と5月30日杉内(巨人)以来7度目。内訳は1リーグ時代に2度、セ、パで1人ずつが3度、セで2人が1度で、パ・リーグで5月までに2人は初めてになる。

【関連表】過去のノーヒットノーラン達成者一覧