開幕3連敗からスタートし最下位に低迷しているが、チームに悲壮感は全くない。新庄剛志監督(50)は今季を育成の年と位置付け、昨季まで2軍を主戦場とした若手を積極的に起用。交流戦までに45試合を消化して、これまで1度も同じオーダーがないが、5月に入って自然とレギュラー格が定まってきた。

「脚本というか、人生もチーム作りも一緒」とBIGBOSS。5月の勝率はリーグ2位。開幕直後の惨状は、跳躍のために欠かせない時間だったと割り切っている。

中軸に清宮、野村、万波を固定。実績のある近藤を故障で欠く中、近藤と同期入団の松本剛が元気だ。打率&安打数&盗塁でリーグトップに立ち、経験の浅い攻撃陣の中で欠かせない存在になっている。新助っ人のアルカンタラが早くから日本の野球に適応したのも心強い。空振り三振を恐れない指揮官の下、昨季リーグ最低だった本塁打数は、今やリーグ断トツの38本で、開幕から全カードで本塁打が飛び出す状況だ。

選手を育成しながら勝ちを拾っていくのは、想像以上に難しい。サインプレーはまだまだ失敗も多いが、新庄監督は「他のチームにとって、嫌な雰囲気のチームになってきたと思う」と、手応えを感じている。

投手陣は勝ち頭の伊藤にエース上沢、加藤の先発3人が安定しており、新人の北山が守護神に定着。これまでの黒星を白星に変える戦力が、少しずつ整ってきた。【日本ハム担当=中島宙恵】

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