日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長は20日、今季の統一試合球の反発係数について「全て規定値内で報告が上がっています。12球団にも検査結果については報告しています。その時、その時の数字だが、規定値の中間あたりの数字です。規定値から外れたボールは使用できません」と明言した。

15年2月に両リーグのアグリーメントが改正され、統一試合球の反発係数は「0・4034~0・4234」という範囲明記に代わり、「0・4134」を目標値とすることが定められた。規格検査については、各球場での納品後の抜き打ち検査から、月1回の日本車両検査協会での納品前検査に改定。その際の反発係数は、従来と同じ「0・4034~0・4234」の上下限を適用している。

現在もこの運用を継続している。規定値内で去年よりも反発係数が低くなっている可能性について問われた井原事務局長は「規定値なので、去年と比較していません」と答えた。

一方で、現場からは、今年のボールは去年より飛ばないのでは、という声が上がっている。西武山川は15日の練習時に「ボール、飛ばない。間違いないです。確信は持っています」と話した。打球速度の割には、本塁打の飛距離が出ないという。

選手の顔触れや状態はシーズンによって異なるため、単純比較はできない。ただ、本塁打の数自体、昨季より減っている。19日までの時点で、セは計301本。チーム別に出した年間ペースの6球団合計は651・2本で、昨年の760本から100本以上減少している。

パはここまで計247本。同じくチーム別に出した年間ペースの6球団合計は541・4本で、昨年の689本から150本近く減少している。

12球団合計では1192・6本ペースとなり、昨年の1449本から250本以上の減少となる。