日本野球機構(NPB)は22日、プロ野球記録のデータ処理をめぐり、業務を請け負う電通に対して東京地裁に出していた仮処分の申し立てを取り下げた。27日に加藤良三コミッショナーと西武の後藤高志オーナーが電通首脳と会い、関係修復とともに来年4月以降の業務委託を申し入れる。

 NPBはデータ処理の新システムを2013年に導入するために、電通との業務委託契約を12年限りとすることを申し入れていた。しかし、電通は単年での契約には応じられないとして交渉は難航。NPBは10月に12年のみの契約を求める仮処分を申請し、その後、電通に過去のデータの引き渡しなどを求める処分内容に変更した。

 電通と契約できない場合、来季の記録処理が滞る可能性があり、加藤コミッショナーは申請を取り下げる判断をした。

 NPBは電通に1989年から委託し、試合結果やチーム、個人の記録をコンピューターで管理。報道機関やゲーム会社などへのデータ提供で、NPBは年間約7億円の収入を得ている。