労働組合・日本プロ野球選手会は20日、大阪市内で臨時大会を開き、出席した代議員24人の全会一致で、日本の3連覇が懸かる来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参加しないことを決めた。ただ、ある選手は「最後までみんな頭を抱えていた」と、難航した様子を打ち明けた。

 現状の大会運営方式には納得できない点が多い、との考えがある。会議に出席した内海(巨人)は「妥協して出場したら、次(の大会)の交渉の時に、どうせ出るんだろうとなってしまう。強気にいかないと」と選手会の思いを代弁する。田中(楽天)は「目先のことだけでなく、長い将来を考えたときに話が詰められなかった」とした。

 日本を代表し、WBCで戦うことへの憧れは一様に強い。前田健(広島)は「1回も出ていないので、出たい」と言う。前回活躍した内川(ソフトバンク)も「日の丸をつけて戦う経験はすごく大きい。出たいという気持ちは当然ある」と本心を隠さなかった。

 前回大会で日本代表を率い、世界一に導いた巨人の原監督は「最終決定であるなら仕方ない。ただ、双方話し合う余地があるなら、しっかり話し合ってほしい」と事態の好転を願っていた。