日本プロ野球選手会の新井貴浩会長(35=阪神)は4日、兵庫県西宮市の甲子園球場で記者会見し、第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への不参加決議を撤回して出場することを決めたと発表した。同日、選手会で再協議して方針を転換し、日本野球機構(NPB)に伝えた。

 日本が3連覇を目指す大会は来年3月にあり、今後は監督人事や代表チーム編成が焦点になる。同会長は「出るからにはいい大会になるようにしたい」と語った。

 新井会長は7月20日の臨時大会での決議を覆した理由として、選手会が求めていた日本代表独自のスポンサー権やグッズ販売権の確保などがおおむね認められた点と、そうした権利を生かした事業展開をNPBが約束した点を挙げた。

 参加問題の発端となった大会収入の日本への分配比率は変わっていない。しかし日本代表「侍ジャパン」を利用した事業活動によってNPBが年間6、7億円とされる一定の収入を確保し、アマチュアを含めた野球界への還元が見込まれることを評価した。

 WBCへの出場を決めていたNPBは選手会の不参加決議の後に渡米し、WBC開催期間中でも日本代表独自のスポンサー権などが日本側にあることを大会主催者に確認。日本代表を専門とした事業部局を設置して積極的な事業展開を決めるなど新たな方策を立て、選手会と協議を続けた。