プロ野球の1軍公式戦で使われる「統一球」を今季から飛びやすく変更しながら公表していなかった問題を調査した第三者委員会(那須弘平委員長=弁護士)は27日、東京都内で12球団の代表者に最終報告を行い、変更の把握の有無にかかわらず加藤良三コミッショナーの責任は免れないと結論づけた。

 同委は非常勤のコミッショナーの勤務態勢を批判し、コミッショナー制度の強化、充実も提言した。無責任な状況を招いた要因として、プロ野球を統括する日本野球機構(NPB)などの体質を挙げた。パ・リーグ理事長を務めるオリックスの村山良雄球団本部長は記者会見で「重く今回の件を受け止めた」と語った。30日に12球団の代表者が集まり、10月2日に臨時オーナー会議を開いて対応を協議する予定。

 報告では、加藤コミッショナーが変更の事実を知っていたとの証拠はないが、疑いは解消されていないとした上で「知らなかったとしても、ごくわずかな注意を払いさえすれば容易に知ることができたのは明らか」と指摘した。

 統一球問題の責任を取って日本シリーズ開幕前日の10月25日までに退任することを9月19日に表明した加藤コミッショナーは、同委からの報告には何の発言もせず、予定された記者会見にも出席しなかった。

 NPBは2011年からそれまで12球団がそれぞれメーカーと契約していた球をより低反発な球に統一した。しかし、今季は過去2年に比べて本塁打数が増加。日本プロ野球選手会の追及を受け、飛びやすく変更していたことを6月に認めた。