20年東京五輪で野球復活の可能性が高まり、五輪野球の過去、現在、そして、未来を取材した。【取材メモ・後編~20年東京五輪に向かう現在と未来編】

 20年東京五輪での野球復活に向け、抱えている問題は多々ある。

 チーム編成も関心が高いところだが、3回以降の連載では一部ルール改正にともなう「7回制の導入」に焦点を当てた。

 試合時間の目安は「2時間半」。2イニング短くすることでどういう影響が出るのか。「JABA(日本野球連盟)社会人野球高砂大会」ので予選リーグで、7回制を何度も経験しているクラブチーム和歌山箕島球友会の西川忠宏監督(53)が語る経験者ならではの話は、「へ~」と思うことばかりで大変興味深かった。やはり、やってみないと分からないことは多い。

 7回制をやっていなくても、やはり、プロの見解は聞いてみたかった。元ヤクルトで04年アテネ、08年北京の両日本代表主将の宮本慎也氏(44=日刊スポーツ評論家)などにご意見をうかがった。「日本に向く」「自国開催は有利」というお話は、国際大会を経験した選手ならではの視点がうかがえた。

 

 積まれた課題をクリアできれば、きっと野球は復活できるが、今の中学生は「五輪に野球」と言われても、ピンと来ない子も多い。「スーパー中学生」と言われる選手に取材してみてたが、「イメージが湧かないです」と、控えめな意見が目立った。

 残念だったが、こんなことではいけない。憧れや希望は、夢となり、人を動かす。野球の底辺拡大はもちろんのこと、野球少年たち、いや、野球を始めてみたいという子どもたちにきっかけを作るためにも、20年東京五輪での野球復活が望まれる。実施競技、種目の最終決定は7月、クアラルンプールで行われるIOC総会で行われることになる。【和田美保】