待ってた「マー君」!

 阪神新井貴浩内野手(31)が6日、7日の楽天戦(スカイ)先発予定の田中将大投手(19)との対戦を心待ちにした。新井の母校駒大の附属高校にあたる駒大苫小牧高校出身の田中の活躍ぶりに注目し、田中も「先輩」として慕ってきた。今回がオープン戦、公式戦を通じて初のアットバット。「いい投手、楽しみ!」。新井は「弟分」との「名勝負」を約束した。

 待ちに待った、19歳右腕との対戦だ。7日の楽天戦に4番一塁で出場予定の新井は、相手先発がマー君こと、田中と聞くと「楽しみ」という言葉を繰り返した。

 「楽しみですよ、楽しみ。ええ、いいピッチャーなんで楽しみです。グラウンドで会ったら、必ずあいさつに来てくれますしね」

 敵対心とは、かけ離れた優しい口調だった。たとえるなら、アニキと慕う金本と自分との、逆の関係に似た「弟」のような存在か。田中は駒大の付属校の駒大苫小牧出身。年齢でちょうど、ひと回り離れた後輩。顔を見かければ、飛んできて「チワッス」とあいさつしてくれる。ルーキーイヤーの昨年11勝を挙げ、パ・リーグ新人王に輝いた力を認めている。だからこその対戦ラブコールだった。

 「そういえば、対戦したことないんじゃないかな。オープン戦で当たったけど、ちょうど回ってこなかったんでね。けど(対戦した)みんなが、いい球、いいスライダーを投げるって言ってたから、打席に立ってみたかったな…、と思ったんですよ」

 ほぼ1年前の07年3月4日のオープン戦、新井は新人田中との対戦を逃している。広島の4番三塁で先発出場し、6回表の守備で途中交代した。その後、田中は7回表から3番手で登板し、7球で打者3人を完全に料理した。特に、切れ味鋭い135キロのスライダーと、最速147キロのストレートで先輩の緒方を3球三振に打ち取った姿は、鮮明に脳裏に焼き付いている。だが、開幕からブレークした田中が交流戦で広島戦に登板することはなかった。

 この日は鳴尾浜球場での全体練習で強烈な打球を防球ネットに幾度となく突き刺した。移籍後初の2軍グラウンドでの練習でもあった。「本当、久しぶりですね。何年ぶりですかね。とにかく親子ゲームで鳴尾浜で出た後、甲子園にも出た、それ以来ですね」。ウエスタンリーグで汗にまみれた昔を思い出した。そして今日、若きマー君との対決で再び、3・28開幕モードに近づく。【片山善弘】