来週にも1軍合流だ-。左ひじ痛のため2軍で調整中だった広島嶋重宣外野手(31)が、1軍復帰への見通しのたったことが11日、分かった。嶋は13日の教育リーグ中日戦(由宇)で初めて実戦で守備につく予定で、山崎2軍監督は「打つ方は非常にいい。実戦で守って、順調なら1週間以内には1軍に推薦できる」と明言した。調整の遅れていた左の長距離砲が、外野争いに参戦する。

 嶋が開幕に間に合った。左ひじ痛でこれまで本格的なスローイングは控えていたが、この日のシート打撃では初めて実戦形式で左翼の守備についた。9回あった守備機会を無難にこなし、1死一、二塁の場面で左前打を処理し、カットマンの松本にきっちりボールを返した。ここにきて、ひじの状態も確実に良くなっている。「ひじの不安?

 今は上げていっている段階。(痛みが)戻ったら意味がないので。順調にきていますよ」と話す表情からは、問題がないことがうかがえた。

 シート打撃ではシュアな打撃を披露した。左中間への二塁打、右前打など広角に打ち分け、打棒健在をアピール。すでに教育リーグでは指名打者で出場し本塁打も放っている。あとはスローイングだけだ。

 山崎2軍監督も嶋の回復ぶりに目を細める。「非常にいい状態。打つ方はいい感じ。明後日(13日)から守りも入れていくよ」。1軍復帰の時期については「順調にいけば来週ぐらい。1週間以内にも(上に)推薦できるでしょう」と太鼓判を押す。教育リーグは13日から由宇で4連戦。嶋の復帰は最速で16日の対オリックスオープン戦(広島)とみられ、19日からの対阪神(高松、倉敷)対中日(ナゴヤ)対横浜(横浜)の5連戦で戻ってくる可能性もある。

 嶋が左ひじを痛めたのは1月25日、沖縄合同自主トレ中の打撃練習だった。2割2分8厘に終わった昨年の雪辱を期して、先乗りで乗り込み、しっかり振り込んでいた矢先の故障。無念のリタイアで1月27日に広島に戻った。キャンプはほとんど2軍で調整。日南では連日夜間練習にも参加し、復活へ1歩ずつ進んできた。

 「あとは試合で守ることを継続してやっていきたい。外野争いは激しいけど、いつでも立ち向かえるように、1軍にいる時となんら変わらない気持ちでやっている」と嶋。赤松、天谷に足ではかなわない。しかし、ひじが完治し守れれば、打力でレギュラーを奪い取る。【網

 孝広】