<日本ハム1-4ロッテ>◇23日◇札幌ドーム

 ロッテのサブマリン渡辺俊介投手(31)がドームで2年ぶり勝利を挙げた。日本ハム打線を8回1失点に抑え、06年から続いたドーム連敗を6で止めた。「えっ、そんなに勝ってなかったんですか?

 全然知りませんでした」と本人もビックリだった。

 昨季防御率は屋外で2・08(9勝2敗)ながら、ドーム球場では3・56(0勝4敗)と相性が悪かった。中日落合監督から「サブマリンは風がないドームに弱い」と嫌みを言われたこともあったが、無風の中できっちり結果を出した。

 生命線である90キロ台のカーブと120キロ前半のシンカーを両コーナーに投げ分け、失点はソロ本塁打の1点。昨季4割打たれた「天敵」稲葉に対してはシンカーを外角に集め3、6回のピンチでは、いずれも内野ゴロに仕留めて無失点に切り抜けた。捕手の里崎は「去年よりフォームのばらつきが少なく、コントロールが良かった」と話した。

 昨年オフからの体づりが安定感につながった。昨年末には「断食道場」に泊まり込んで、体に良くない成分を排出してリセット。自宅では「あまり肉類を受けつけなくなった」と、野菜や魚中心のヘルシー志向に変わった。さらに1月には初の海外自主トレをグアムで行い、温暖な気候の中で充実した練習をこなしスタミナがついた。

 「今年はいい状態で調整できたので、そのまま入れましたね」と確かな手応えを口にした。チャレンジしている新球ライズボールはまだ封印。「ナゴヤドーム用にとっておきます」と、ニヤリと笑った。【鳥谷越直子】