<ソフトバンク6-5ロッテ>◇24日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンクがまたも歴史的なサヨナラ勝利を決め、開幕4連勝を飾った。延長12回2死二塁から田上秀則捕手(28)が、生涯初となる右越えサヨナラ二塁打を放った。開幕4連勝のうち早くも3度目のサヨナラ勝利は、61年の大洋以来で、パ・リーグでは史上初の快挙だ。開幕戦から史上2人目の逆転サヨナラ本塁打、2戦目は球団史上初となる開幕から2試合連続サヨナラ勝利、3戦目はルーキー大場のリーグ史上初の初登板無四球完封勝利、とソフトバンクが記録ずくめの連勝街道を突き進む。

 王監督は左手を突き上げてベンチを飛び出し、田上は右手を高々と上げて、一塁ベースを回った。同点で迎えた延長12回2死二塁。打席に向かう前、田上はチームの勢いを敏感に感じていた。「流れ的に打てそうやな。気分はありましたね」。予感は的中した。カウント1ストライクからのシュートを右方向に流し打った。前進守備の右翼手を越える、アマ時代も含めた生涯初のサヨナラ打。「痛いけど気持ちよかった」。今季2度、ヒーローを手荒く出迎える側だった立場は、一変した。

 また球界の歴史を塗り替えた。開幕4連勝で、これが早くも3度目のサヨナラ勝利だ。61年の大洋以来、47年ぶりのことだが、パ・リーグでは史上初の快挙だった。「そうなの?

 考えられないね」と王監督も素直に驚いた。開幕戦は柴原が史上2人目となる逆転サヨナラ本塁打を放った。2戦目は球団史上初となる開幕から2試合連続サヨナラ勝利を決めた。そして、3戦目はルーキー大場が、リーグ史上初の初登板無四球完封勝利を達成した。「今日は開幕からの勢いで勝った」。王監督もチームの勢いを認めた。

 ただの勢いでできるはずがない。今季初のスタメンで、ヒーローの座に上り詰めた田上は言う。「控えも含めて、選手全員が勝つために準備しています」。田上はオープン戦中から王監督に打撃指導を受け、その教えを習得しようと必死でバットを振る。「上げた左足を地面に付くと同時くらいにバットを振れ、と言われて、練習では意識してやっています。試合では球をよく見ようと」。正捕手不在のチーム状況で、田上のセールスポイントは打撃。両ひざに古傷を持つだけに、80キロ台後半だった体重をキャンプから絞り込み、84・5キロで開幕を迎えた。前日の楽天戦でも8回に代打安打を放ち、存在感を示した。「何より打撃でアピールしなきゃいけませんから」。2回の先制打に延長10回にも同点打、とバットでチームに貢献した。

 王監督も目先の勝利に浮かれてはいない。「今日は四球がいかに勝敗にかかわるかを示した試合だったな」。5回に先発の新垣が2死から3連打を浴びて2点を失い、続く3番オーティズにストレートの四球を与えた。リードは1点。王監督は迷うことなく投手交代を告げた。「うちの12回の攻撃も(柴原の)四球から。勝ちながらピシっとした野球にしていかないとね。勝ちでうやむやになるケースがある」。今季は「勝負の年」と位置付けた。だからこそ開幕4戦目の歴史的勝利にも、王監督は内容にこだわる。ただ、何かを予感させるには十分な、開幕4連勝だった。【中村泰三】

 ▼ソフトバンクが開幕1、2戦の楽天戦に続き、4戦目もサヨナラ勝ち。開幕4試合で3度のサヨナラ勝ちは、61年大洋が4月8日○8―7広島、9日○6―4広島(ダブルヘッダー第1試合)、11日○1―0中日と開幕1、2、4戦目に記録して以来47年ぶり2度目。パ・リーグでは初めて。王監督の開幕4連勝は05年(5連勝)以来で、開幕から最長は02年の6連勝がある。

 ソフトバンク柴原(今季初の猛打賞。延長12回には四球で出塁し、サヨナラの本塁を踏む)「最後は(九共大の)後輩がよく決めてくれた。自分も今はいい感じで打てている。これを続けたい」