<中日1-6ヤクルト>◇4日◇ナゴヤドーム

 中日がヤクルト3年目の村中にプロ初勝利を献上した。5番和田が本拠地初アーチを含む2安打と奮闘したが、打線がクセ球にてこずり7イニングで3安打1点止まり。村中とは過去の対戦がほとんどなく「初もの」への弱さを露呈した。投げては先発朝倉が2本のアーチを浴び7回4失点で今季初黒星、守っては3失策とらしくない内容。開幕から快進撃を続けてきたが、今季初の連敗となった。

 落合監督は、淡々とした口調で言った。「今日は怖いもの知らずの若さにやられたということ。プロで初めて勝つ投手というのはあんなものだよ」。村中にプロ初勝利を献上した今季初の連敗を振り返った。

 チャンスでボールが前に飛ばない。村中に7回でわずか3安打1得点。2回無死一、二塁では中村紀、森野が連続三振。3回2死一、二塁もウッズが三振。7回無死一塁では森野、谷繁、代打デラロサが3者連続三振。微妙に変化する直球と、外角のフォーク、スライダーで8三振。3打数無安打2三振の森野も「何が良かったというわけじゃないが(狙い球を)絞りづらかった」と口にした。

 高卒3年目の村中は、昨年1軍登板なし。今年3月1日のオープン戦で対戦しているが、中日は若手中心で今回は“初物”同然だった。その試合に出場していた荒木さえも「オープン戦よりもボールがすべっていた。イメージが違っていた」という。情報戦が得意なオレ竜にとって“初物”は死角になりやすい。05年の初めての交流戦では15勝21敗と大きく負け越してV逸の要因になったこともある。

 落合監督は「初めての投手はいいか、悪いか、どっちかなんだ。中途半端はない。ただそんなに甘い世界じゃない。そのうちプロの怖さがわかるでしょう」と話した。5日の相手先発も“初物”のルーキー加藤が予想される。指揮官は「初めてが続くんだな。まあいいじゃないか」。まるで自軍打線の意地とプライドを試すかのようにニヤリと笑った。【益田一弘】