<巨人1-3阪神>◇5日◇東京ドーム

 アニキの1998本目のヒットが巨人を打ちのめした。阪神の金本知憲外野手(40)が6回1死二塁、右越え3号2ランを放って2000本安打へ「あと2本」とし、400本塁打へも「あと3本」に迫った。リードを3点に広げる貴重な追加点で、チームは単独首位に立った。

 会心の1発だった。白球はオレンジ一色の右翼席に飛び込んだ。「オレも打てるとは思わんかった。正直言うてね。何でもいい、どこかに落ちてくれればいいと思っていたんだ。それがたまたまホームランになったね」。平野を二塁に置き、カウント1-1からの3球目を見逃さなかった。真ん中に甘く入ったグライシンガーの99球目、141キロの直球をとらえた。

 「格別?

 そやな。うちは若い投手で、向こうはエース級やったから。コースは甘めやろ。唯一の球や」と言った。岡田監督も「1点(のリード)じゃ(逃げ切れるか)分からん球場やからな。平野も(盗塁で)二塁に行ってくれたし、それをかえすのが4番よね」。金本の活躍に目を細めた。

 昨年はグライシンガーに19打数3安打(打率1割5分8厘)5三振。今年の3月のオープン戦でも3打席とも凡退しており、今後の対戦のためにも、天敵を打っておきたかった。

 5試合連続ヒットとなる本塁打で、チームは3カード連続の勝ち越しを決めた。だが金本は「油断せんようにな」と気を引き締める。2000本安打は今日6日にも決まる。スタンドのファンが用意したカウントダウンボードにも、しっかりと「0」の数字が用意されていた。【福岡吉央】