<西武1-10ロッテ>◇9日◇西武ドーム
ロッテ清水直行投手(32)が9日、うれしい今季初勝利をマークした。打線の大量援護を受け、9回4安打7奪三振1失点(自責0)の完投勝利。今年1月17日に明美夫人(享年32)を亡くした。悲しみを胸に秘め、今季3試合目にして、待望の白星を贈った。チームは前夜、痛恨のサヨナラ負けを食らったが、嫌な流れを気迫の投球で断ち切った。
1球に気持ちを込めて、ひたすら全力投球した。清水が悲しみを乗り越えて08年のスタートを切った。1月17日に最愛の明美夫人(享年32)を心不全で亡くしてから初めての勝利。試合後のお立ち台では涙こそ見せなかったが、声は震えていた。右手に握り締めたウイニングボールに自然に力がこもった。勝った現実、亡き夫人への感謝の思いを人知れずかみしめた。
清水
周りの人に感謝しながら野球ができている。監督もずっと気に掛けてくれて「お前が頑張らないといけない」と言われていた。開幕から何1つ恩返しできずにいたし、これから1つ1つ返していきたい。
計り知れない精神的なショックを背負ってシーズンに入った。バレンタイン監督の考慮もあり、春季キャンプはプロ9年目で初めて2軍スタートした。昨年まで通常は月に2度更新していた個人ブログも夫人の他界後はほとんど書けなかった。キャンプ後は、夫人のこと、家族のことは一切グラウンドで話さず、野球だけに集中してきた。「これから何とか落ち着いて野球をやっていきたい」。ヒーローインタビューでは天国の夫人への思いも問われたが、最後まで個人的な悲しみを口にすることはしなかった。
前回まで2戦2敗、今季3度目の先発は集中力の高さが際立った。140キロ台中盤の直球がさえた。ストライクゾーンの外枠にフォーク、カットボールが思い通りに決まった。9回4安打1失点。最終回は先頭栗山に右前打を許したが、続く3人から狙って三振を奪う気力を見せた。
清水
今日は直球で押せたし腕が良く振れた。最後は力を振り絞って投げた。
目に見えない力が右肩に加わった。夫人が残してくれた1男1女の家族を守るのは自分しかいない。マウンドから天国の夫人へ、清水が夫として、父親として力のこもったメッセージを送った。【山内崇章】



