<日本ハム4-2楽天>◇9日◇札幌ドーム

 20歳の約束を果たした日本ハム吉川に、場内から歓声に交じって「ヒューヒュー」という指笛の音も飛んだ。6日に誕生日を迎え20歳初登板は、6回4安打2失点で今季初勝利。昨年7月12日以来の本拠地お立ち台だった。「目薬を入れているだけ」とごまかしたが、目頭は熱くなっていた。

 周囲との約束を忠実に実行した。前回登板後、厚沢投手コーチから「投球フォームに間をつくれ」と指示された。開幕から2試合で防御率14点台と大乱調だったことで、大阪遠征から整備用のトンボを使った矯正を始めた。「農作業をやりました。くわを振るような練習だった」。

 ブルペン投球の前後に「最低10回」を日課にトンボを振った。両手で握ってゆっくり振りかぶって振り下ろした。木製トンボだが重量感があり「間ができて球にキレもあったと思う」と自画自賛。さらに、鶴岡とは「ミットをめがけて投げてこい」と約束。「間があることでミットを見られるようになった」と話した。

 4回に山崎武に本塁打を浴びた後、吉井投手コーチからの「弱気にならず強気に行け」との指示にうなずいた。「その後は思い切っていけたと思う」と吉川。再び乱調なら先発ローテーションはく奪の可能性もあった中で結果を出した。2年目のジンクスとの戦いに「勝てないと言われるのは嫌」と言い切った。

 約束を守り、農作業投法で手にした今季の初白星。トンボを使ったフォーム固めは「毎日やります」と笑顔で言った。広陵高の大先輩、阪神金本は足踏みだったが、20歳の左腕が1勝目を刻んだ。【村上秀明】