<中日2-3阪神>◇23日◇ナゴヤドーム

 もはや奇跡としか言えない逆転劇を期待する中日ファンの思いをあっさり砕いた。阪神藤川が3人斬りで最終9回を締めた。これで開幕から11試合連続セーブ。93年の田村勤を抜き、球団新記録を達成した。

 「ウチが勝つのは、あのパターン。シモさんも粘っていたし。記録は関係ないよ」。久保田に抜かれたが05年のシーズン最多登板をはじめ、日本最多タイの46セーブなどリリーフ投手の勲章を総なめしそうな勢いだ。だから難なくクリアできるのかもしれない。

 気の抜けない中日打線が相手だが、データに裏打ちされた自信がある。昨年のナゴヤドームでは、6戦登板で6セーブ。完ぺきな内容だ。「(プレッシャーは)ないよ。オレはナゴヤで逆転されたことがないから」と言い切った。15キロ前後の直球とフォークの絶妙のコンビネーションで好調の中村紀、谷繁、代打立浪を料理した。今季はすべての試合で、三振を奪っている。奪三振率18でハイレベルな数字をキープ。開幕連続セーブは93年広島大野の日本記録まであと1試合に迫った。24日に並び、25日からの巨人3連戦(甲子園)で新記録。偉業達成の筋書きはできあがった。