<ヤクルト0-1中日>◇26日◇神宮

 和田が救った!

 中日和田一浩外野手(35)が4回、ヤクルト先発村中から左翼へ決勝5号ソロをたたき込んだ。村中には前回対戦でプロ初勝利を献上し、この日も苦しめられたが、両チーム唯一の得点をたたき出した。投げては先発小笠原が21分間の雨天中断をはさみ、7回7安打無失点と好投。最後は守護神・岩瀬が締め、完封リレーを完成させた。引き分けをはさんだ連敗は「2」で止まった。

 和田は村中のわずかな制球の乱れを逃さなかった。145キロ真ん中ストレート。0-0で迎えた4回2死走者なしの場面で、左翼に先制&決勝の5号ソロをたたき込んだ。11日広島戦(広島)以来12試合ぶりのアーチ。表情を変えず、大きなストライドでベースを1周した。

 「タイミングよくボールが上がってくれた。追い込まれていたのでストレートを頭に入れていた。相手にしたら(制球が)気持ち、甘くなったのかな。(雨天の)こういう展開ですから、先に点を取らないとと思っていた」。

 飲んでかかっていた。前回4月4日の初対戦(ナゴヤドーム)で打線が7回3安打1得点に抑えられる中、ひとり完全攻略に成功していた。フォークを捕らえて2号ソロを放ち、ストレートを右前打した。データが乏しく対策の難しい相手に対し、経験と感覚をフル稼働させて球筋を読み3打数2安打。この日も打線は6回4安打に抑えられたが、唯一の得点をたたき出した。

 チームを救った。ここにきて投手陣に故障者が相次いでいる。中継ぎ右腕鈴木が右ひじ痛で23日に出場選手登録を抹消され、25日には先発山井も右ひじ痛で戦列を離れた。台所事情が苦しい中、引き分けをはさんで2連敗。打線が奮起したいところだったが、この試合を含めここ4戦でわずか6得点と湿ったまま。重い空気を一発で振り払った。

 FA移籍1年目。もはや不動の5番として欠かせない。これで5試合連続安打。打点も森野と並ぶチームトップタイの「15」とした。9回にも左前打を放ち、打率も2割8分9厘まで上げた。東京都内に自宅を残しているが、今月に入ってから家族を名古屋に呼び寄せた。この遠征はかつてのわが家に帰らず、チームとともに都内のホテルに宿泊。身も心も中日の一員として臨んでいる。

 落合監督は「いいところで打つ?

 フフフ」とだけ話した。全幅の信頼を置く5番和田が中日の屋台骨を支えている。【村野

 森】