<楽天5-0日本ハム>◇27日◇Kスタ宮城

 日本ハムの「極貧打線」が深刻だ。楽天に0-5で2試合連続で完封負けし、今季初の同一カード3連敗を喫した。6安打はすべて単打で、4併殺の拙攻で三塁も踏めない完敗。貯金を吐き出し、勝率5割になった。3試合で計1得点、ここ16試合連続で4得点以下と打線の不振が、急降下の最大の要因。故障者続出の野手陣は手薄で代替要員がおらず、泥沼に入り込んだ。

 Kスタ宮城は、輝いていた。日本ハムが、楽天の完全な引き立て役に回った。ゴールデンウイーク最初のカードで、野手陣が「休暇」に突入した。3試合で奪った得点は合計で1点。2試合連続でスコアボードにきれいに「0」を並べた。梨田監督は直視したくない現実を、おとぼけのジョークで紛らわした。「昨日は何点取ったんだっけ?

 0点?

 そうか。3試合で1点か。1-0でも勝ったら違うんだろうけれどね」。

 踏んだり蹴ったりの3連敗目だった。初回1死一、二塁の先制のチャンスで高橋が遊併。その主砲が右大胸筋の違和感を訴えて5回の守備で途中交代すると、さらに空回りした。6回以降の4イニングはすべて先頭打者が出塁したが、うち3度、次打者が併殺に倒れた。梨田監督が「そんなに良くなかった」という“神の子”マー君に、勝利の女神を振り向かせた。

 今季初の同一カード3連敗。昨年8月にロッテに喫して以来だが、ダメージはさらに大きい。岩隈、ドミンゴ、田中の3先発投手にほぼ無抵抗でフィニッシュ。25日の初戦4回にスレッジが犠飛で1点を挙げただけで、連続無得点イニングは「23」へ伸びた。リードオフマンの森本も天真らんまんさを失った。「自分が…、う~ん。いい流れをつくりたいとは思っているんですけれど…」。笑顔ひとつ見せずに振り返った。

 8日の楽天戦で8-7で勝って以後、16試合連続で4得点以下。29日ロッテ戦から稲田が昇格予定だが、打撃ではなく、守備とムードメーカーとして期待しての起用になる。28日に精密検査を受ける高橋が重傷なら左-右-左とジグザグの中軸の形成も難しい。「どうしようかな。おいしいサンドイッチを作りたいんだけどね」。梨田監督は左打者で右打者を挟む打順を食べ物に例えた。光が見えない、どん底の極貧打線。過去3年連続Bクラスと、腹ぺこなイヌワシ軍団の最高の“ごちそう”になった。【高山通史】