<ロッテ3-6日本ハム>◇30日◇千葉マリン

 ずらりと並んだ“レフティーズ”がヒットを量産した。渡辺俊対策として今季初めて2番に工藤、3番に田中、4番に稲葉を起用。2~7番まで並べた左打者が11安打6得点だ。打線の組み替えがズバリと決まった梨田監督は「渡辺俊には今年やられてる(2戦2敗)からね。序盤にいい攻撃をしてくれた」と白い歯がこぼれた。

 鮮やかな先制攻撃だった。1回2死から、5年半ぶりに3番に入った田中が右前打で出塁すると、稲葉の死球を挟んで3連打。1イニング一挙3得点は8日の楽天戦以来18試合ぶりの“ビッグイニング”となり、指揮官も「2死から3点とはね…」と笑いが止まらない。稲葉も、5回に右翼へ4号アーチをかけるなど4打数4安打2打点と奮闘した。「あくまで4番目の打者。ダルは完投ばかりだし、野手陣が甘えてばっかりじゃダメ」と満足げに振り返った。

 くしくも11安打はすべて左打者から生まれたもの。それも右に引っ張った打球は3本しかなかった。今季の野手ミーティングは稲葉が中心となって選手同士が意見をぶつけ合う。「コーチの話を聞いているだけじゃない。それが結果につながっているのかも」。チーム全員が一丸となって難敵渡辺俊を攻略した。【本間翼】