<西武3-1日本ハム>◇6日◇西武ドーム

 日本ハムが2試合連続の痛恨の黒星で、首位争いから大きく後退した。1-1の9回、ルーキー宮西尚生投手(22)がボカチカにサヨナラ2ランを浴び、1-3で敗れ3連敗を喫した。前日5日は最大6点リードから大逆転負けしたのに続き、またもショッキングな黒星を重ねた。首位奪取の可能性もあった西武との3連戦で連敗し、ゲーム差は4に広がった。

 奮闘するルーキー左腕に背負わせるには、酷な1敗だった。9回2死一塁。カウント1-3からボカチカに投じた、やや外角低め直球だった。宮西はフルスイングされた打球の行方を見届けると、熱狂する敵地のマウンドを降りた。バックスクリーンへ突き刺さるサヨナラ2ラン。前夜は打ち負け、この日は接戦を落とした。「逆になってしまったな」。梨田監督は静かに、現実を受け止めた。

 持ち前の守備の崩壊が敗因だった。ボカチカに被弾する直前の、記録に表れないミスが明暗を分けた。9回1死一塁。細川のバントを捕手・小山が素早く処理し二塁封殺。タイミング的には捕-遊-一の併殺かと思われたが、遊撃手・金子誠の一塁送球が高く浮いた。走者を残し、その直後に3連敗が決まった。

 宮西は「甘いと言ったら甘い球。力がないだけです」と自分を責めたが、悪夢の伏線が、守備の乱れだったのは確か。梨田監督はやや口ごもりながら、振り返った。「(併殺を)とれたとは思うけれど…。ああいうのはとってほしいよね」。9回まで4安打と沈黙させられた石井一は、9回を投げ終えて降板予定だった。併殺なら試合の流れは確実に変わったはず。延長10回の森本からの攻撃へ勢いを持ち込めた、はずだった。

 得意の終盤勝負の接戦での勝ちパターンを守備のミスから逸し、ダース、宮西、小山と若い戦力の活躍を生かせなかった。破竹の5連勝でスタートした9連戦は、7日の1戦を残すのみ。すでに勝ち越しは決めているが、このままでは後味は悪い。【高山通史】