ソフトバンク王貞治監督(67)が先発投手陣に異例の「12回完投指令」を下した!?

 9日、函館球場の練習前のこと。左翼付近に投手だけを集め、気温13度、冷たい風が吹く中、熱弁を振るった。「みんな同じユニホームを着ているが、役割はそれぞれ違う。常に肩の状態や球数を意識して、いかに1年通じて戦うためムダを省くかを考えるんだ」。勝率5割ラインの往復を繰り返したチームは40試合を消化して3位。「野球は投手陣」という王監督が、再浮上の原動力となる投手陣にさらなる奮起を訴えた。

 約10分間におよんだ即席激励会について、同席した杉本投手コーチが補足説明する。「先発は長距離ランナーでリリーフは短距離ランナー。役割は違うけど意識を強くしようと。先発は長いイニングを投げる調整をしているけど、9回でなく12回まであるという意識でやろうと」。1試合、1シーズンを完走するため、特に先発陣は練習の効率化や省エネ投球などクレバーな姿勢を求められた。

 チーム20勝のうち先発陣が13勝、救援陣が7勝を挙げ、40試合で完投はまだ6人。登板を重ねれば疲労が蓄積するのは自然だが、王監督が「12回完投指令」を下したのはシーズン終盤での好パフォーマンスを引き出したいからこそ。「勝負は7、8、9月」という指揮官はスパート時期から逆算し、意識改革の芽をまいておいたわけだ。

 10日からの日本ハム2連戦(函館)を含め、交流戦まで残り8試合となった。首位西武とは6ゲーム差。王監督は「常に3連勝で入れ替われるくらいにしておきたい」と、逃げる獅子を射程圏に入れたい考え。まずは今季2勝4敗と負け越している日本ハムとの対戦成績を五分に戻す。【押谷謙爾】