<日本ハム4-3ソフトバンク>◇11日◇函館

 日本ハム宮西がようやくプロ初勝利を挙げた。7回、2番手で登板。川崎、長谷川、松中の左打者を3者凡退で切ると、直後に森本が勝ち越し打を放った。このまま逃げ切れれば勝利投手。「ガンガン考えてましたよ。もうお願いします、と」。ドキドキで武田久-マイケルの勝利の方程式を見届けると、満面の笑みがはじけた。

 今季14試合目のマウンドで報われた。阪神から移籍した中村らが不振で構想が狂った左の中継ぎとして開幕1軍に抜てき。2敗はしたが、12回2/3で2失点、防御率2・13とサプライズな戦力として活躍している。大学時代はこの日先発のソフトバンク大場、中継ぎの久米らとプレ五輪の日本代表の一員としてプレー。「活躍が励みになる」と先に初勝利を挙げたライバルに続いた。

 ちょうどこの日は母の日。カニ2尾を函館から宅配し、勝利投手賞の選手宿舎だった高級温泉ホテルの宿泊券をプレゼントすることを決めた。関学大時代は梨田監督の長男とチームメート。「きっかけに成長してくれたらいい」と満足そうな指揮官のもう1人の孝行息子は、頼もしかった。