<ソフトバンク4-2西武>◇13日◇サンマリン宮崎

 ソフトバンクがキャンプ地宮崎で初勝利を挙げ、2位に浮上した。首位西武との直接対決。5回に松田宣浩内野手(24)のソロ本塁打などで2点差を追いつき、6回にも松田の内野ゴロ(記録は野選)で決勝点を奪った。交流戦前ラストの6連戦の初戦に逆転勝ちし、西武の連勝を6でストップ。ゲーム差を5・5に縮め、追撃ムードが整った。

 7回の攻撃前から球場外で打ち上げられた花火は、少し気の早い祝砲のようだった。ソフトバンクが劣勢を全員ではねのける、逆転勝利。4年ぶり3度目の宮崎開催でキャンプ地に初めて白星をプレゼントできた。

 ほんの2カ月半前まで今季の礎を築いた“古里”で重責を果たした。安堵(あんど)した表情の王監督は、まずは流れを引き寄せた一撃を振り返った。「松田の本塁打がいいところで出たね。あれがなかったらスンナリいかれていたよ」。2点を先制された上、今季2敗を喫していた石井一に打線は苦戦。二塁も踏めずにいた空気を松田が変えた。先頭打者の5回。2球目カットボールを左翼席中段へ運んだ。「とにかく塁に出ようと。打った瞬間、ヨシッと思った」。

 1死から敵失で出塁の森本が暴投で二進。さらに2死から川崎の中前ポテン安打で同点とし、流れは傾いた。6回。小久保が1死から四球を選ぶと、王監督は柴原にカウント1-1からエンドランのサイン。柴原は左前にポトリと落とし、右太もも痛が癒えたばかりの小久保も激走し、一、三塁とチャンスを広げた。

 「形はよくなくてもかえそうと思った」と気合を込めた松田は遊ゴロ。しかし打線の勢いは運も呼んだ。遊撃手中島が芝に足を滑らせ、本塁送球がわずかにそれ、小久保が勝ち越しのホームを踏んだ。「柴原が執念で打ってくれた。足?

 前の(右足の)痛みはないけど、守備についてるからパンパン。でも足でも頑張るよ」。今季初の3安打猛打賞の小久保が足で稼いだ決勝点に満足げだった。

 ホークスがキャンプ地を宮崎に移して5シーズン目。有形無形の支援を受けながら4年間、優勝がなく、4年ぶりの公式戦開催に王監督は「いいところをみせたい」と意気込んでいた。函館から東京を経由し2000キロ以上移動して、宮崎に到着した12日は釜揚げうどん屋と和食店など、なじみの店をはしご。知人たちとのたわいない会話で、地元への恩返しの思いを強くしていた。

 8回にも王監督のレストビッチ代打起用が決まり、1点を追加。松田の4打数2安打2打点2得点など打線が機能し、リリーフ陣も無失点と踏ん張り、西武の連勝を6で止めてみせた。貯金1ながら4月7日以来となる2位に浮上し、首位との直接対決でゲーム差も5・5と縮めた。「これ以上(ゲーム差を)離されたらいかんし、(3連戦の)頭を取らないとね。向こうも快調だったけど、うちの打線も調子に乗ってきてたしね。本拠地に戻ってやれるし、盛り上がっていきましょう」。王監督は交流戦前には獅子のしっぽをつかまえるつもりだ。試合後、福岡までの深夜のバス移動も苦にならない、勝利だった。【押谷謙爾】